隣地は借金してでも買え、は本当か?

「隣地は借金してでも買え」というフレーズをお聞きになったことはあるでしょうか。

不動産の場合、隣地を買うとメリットが生まれるということが多いので、このようなフレーズができたのだと思います。

不整形地の解消

今回ご相談のあった方は、ご自身の所有する土地が不整形地だった、というケースです。

A土地をお持ちだったX様は、ご自身の土地が不整形地であることを知りませんでした。
実際にご自宅のブロック塀も直線で建てられています。

ところが、隣地のB土地が更地になり、売却活動の関連で境界を確認したところ、法務局に登録されている地図上では、直線ではなく境界線が屈折していたことが判明したのです。

そこで、今回の対象地(三角形の部分)をX様に購入のご希望があるかの打診があったのです。

現状の土地利用では特に不具合があるわけではありませんが、この対象地を購入すると整形地にすることができます。

整形地のメリット

土地が整形であることのメリットは、将来の売却や建替えの際に大きなポイントとなります。

売却の際に、土地が不整形地であることは販売価格を押下げる要素になってしまいます。

購入を検討している方にとっても、今回のような不自然な地型は違和感を持ちますし、利用しにくく感じてしまいます。

また、建て替えの際にも、詳細は割愛しますが、容積率や北側斜線、日影規制などの関係で建築できる建物のプランに大きな影響を与える場合もあります。

土地の形が整ってスッキリするというだけでなく、建築についてもメリットが生まれるのです。

接道条件などの変化

今回のケースとは異なりますが、隣地を購入してメリットが生まれるケースとして、今までは接道義務が果たせておらず再建築不可だった土地が、隣地と合わせることで建築可能になるケースや、ライフラインの引込工事がしやすくなるといったケースもあります。

それぞれの土地の条件にもよりますが、長期的な視点に立てば、実際にメリットが生まれるケースが多い印象です。

取得コストの検討は慎重に

前述のように、いくらメリットが生まれるケースが多いといっても、その取得コストとのバランスは慎重に検討する必要があります。

たいていの場合は土地売買というかたちになると思いますが、まずはその価格が妥当かどうか。

さらに、購入にかかる登記費用、不動産取得税などのコスト、購入後に負担が増える固定資産税の額など、きちんと精査したうえで話を進めるようにしましょう。